「コールサック」日本・韓国・アジア・世界の詩人

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林田 悠来 (はやしだ ゆうき)

<経歴>

1966年、東京生まれ、埼玉県新座市在住。

詩集『誇らかに、愛』『水平線』『晴れ渡る空の下に』

日本詩人クラブ、埼玉詩人会、大宮詩人会、川崎詩人会、会員。

<詩作品>

コスモスの花

東京郊外の広い公園に
コスモスの花が広がる
黄色やピンクや赤の絨毯のように


その花びらの美しさに魅かれて
君が写真を撮る
自らの美しさを振り撒いて咲く
コスモスの花には
ミツバチが群がる


そのミツバチが受粉させ
花は種を作る
いつからそんな命の連携の営みが始まったのか
そんなことに心をとらわれながら
写真を撮る君の姿を
じっと眺めている



精神病棟24時

朝6時に起床
7時半には朝食
丁寧に作られた食事はわずか十分足らずで空になる
毎回食後は薬を飲むのに並ぶ
躁や鬱、統合失調症、解離性障害、
様々な人たちがいる
月、水、金の午前中には風呂に入る
服が溜まると洗濯をする
何故か3階の比較的症状の軽い人が先に入るように
2階の入り口にはカギがかかる
その後は喫煙室で談笑したり
ベッドに入って横たわる者もいる
広い食堂を歩き廻っている者もいる
午前、午後も読書三昧
昼食は12時でご飯の前には必ずテレビを消す
あらかたの人がご飯を食べ終わるとすぐにテレビをつける
先に見ていた人がチャンネル権を得るが
後から来た人が勝手にチャンネルを変えてしまう場合もある
午後はOTに行ってオセロゲームや将棋、折り紙などをする
1週間に1度食事のグループがある
食事の献立を考え次の週に食事をつくる
毎週1回グループというのがあり好きなことを勝手にしゃべる
午後にコーヒーとお茶が飲めるお茶会というのもある
差し入れのお菓子を食べながら歓談する
午前と午後の開放時間には3階のみ扉が開放され買い物が自由になる
2階の人は看護婦の付き添いで買い物ツアーをやるそうだ
週に1度カラオケマイクを使って歌を歌ったり
2週に一遍卓球をしたりする
土曜日の夜は生のピアノ演奏によるカラオケだ
OTとそのときは男女混合となる
6時の夕食後わずか2時間足らずで眠剤の時間になる
夜中は一時間ごとに懐中電灯で見回りに来る
ここは概して優しい人が多い
そう、ここは心に傷を負った人のオアシスなのだ


*OTは作業療法のことを言う。


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「コールサック」(石炭袋)119号 2024年9月1日

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